わくらば日記

4/29 - 5/2 ★★★★★

今はもう亡くなってしまった「姉さま」との、不思議な思い出を語るお転婆な妹「わっこちゃん」のお話。


姉さまは病弱で、それゆえはかなく美しく、そして人や物の過去を見る力を持っていました。
わっこちゃんの幼さゆえ、その力を刑事に知られてしまった姉妹は、凄惨な事件に巻き込まれ・・・

とにかく登場するキャラクターがみんな魅力的で、刑事さんなんて読んでいくうちにどんどんイメージが変わっていきます。
そして悪人が一人もいない!
いろいろ血なまぐさい事件はおきますが、その背景を追っていくうちに、なんだかもやもやもやもや・・・
「罪を憎んで人を憎まず」というのはこういうことなんだなぁ・・・と思います。


とにかく朱川湊人の「人間に対する深い愛情」を感じさせる作品でした。

わくらば日記 (角川文庫)

わくらば日記 (角川文庫)