悪霊の島
10/3 - 10/12 ★★★★☆
自動車事故により右腕を失い、脳に機能障害を負ったエドガーは、リハビリのためフロリダ州の小島「デュマ・キー」に移り住んだ。
そこで存在しない右腕に猛烈な痒みを感じ、何かに取り憑かれたように絵を描くようになる。
作品に繰り返し登場する船と少女が意味するものとは・・・?
キング久々の長編ホラーです。
最近は「セル」「リーシーの物語」といった、ちょっと微妙な作品が続いていたので、こういう読み応えがある(1000ページ以上ある)モノはうれしいですね。
しかも訳:白石朗、装画:藤田新策、とくれば読む前から鼻血が出るくらいテンション上がります。
タイトルでネタバレしていますが、今回の敵は「悪霊」です。
"人類が誕生した時点で、すでに年老いていた存在"で、数十年おきに眠りと覚醒を繰り返す、というのはITの亜種なのでしょうか。
作品の構成としては、「IT」のように視点や時間軸がころころ変わるような複雑なものではなく、ほぼエドガーの一人称で時系列で語られます。このボリュームなのに、非常に読みやすいです。
「本筋に関係ない部分までとんでもない詳細な書き込みで、圧倒的なリアリティを持たせる」という、キングの長編ではおなじみの手法が復活しています。
超重量の鉄球を動かすがごとく、始めはごくゆっくりと、しかし一度動き出したら誰にも止められないあの感覚。
秋の夜長に読むにはぴったり。
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- 作者: スティーヴン・キング,白石朗
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/09/12
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