江戸川乱歩ベストセレクション2 芋虫
乱歩ベストの第2巻は
の9篇と、三津田信三さんの解説を収録です。
しかーーーーし
『芋虫』は昭和4年発表当時のものらしく(?)、内容が多少削除されています。
例えば、手元にあった創元推理文庫の「江戸川乱歩集」に収録されている『芋虫』と比較してみますと
彼女は狂気のようになって、
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(角川文庫版 p.14)
彼女は、狂気のようになって、癈人にいどみかかって行き、大島銘仙の風呂敷包みを、引きちぎるように剥ぎとってしまった。
すると、その中から、なんともえたいの知れぬ肉塊がころがり出してきた。
(創元推理文庫版 p.418)
このように、結構な箇所で削除があるため、内容が追えません。
「不具者」や「片輪」など素敵ワードはそのまま使われているのに、なぜ検閲部分はそのままにしておくのか・・・。
これじゃ時子が須永中尉の●を●した理由がよくわからなくなっています。
『芋虫』を初見の人は、角川文庫版ではなく創元推理文庫版を読むことをお勧めします。
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